肚のうち

なかなか他人には言えない肚のうちを書きつづっていきます。

仰げば尊し

この時期になると、あちこちの学校で卒業式が行われているようです。私たちの時代では、卒業式といえば、「仰げば尊し」と「蛍の光」がつきものでしたが、娘が通う学校ではそんな歌は歌わないようです。まあ、昨年まで「君が代」も歌わなかったらしいので、何ともひどい卒業式です。

そういえば、聞くところによると、最近は「仰げば尊し」もやや復権のきざしがあるとか。ただ、その場合でも2番をとばして1番と2番しか歌わないケースが多いようです。

何でも、「身を立て、名を揚げ」の部分の歌詞が立身出世を志向しているとのことで、共産主義者にとっては都合が悪いのだと思います。この歌詞は、本来、立身出世ではなく親孝行の意味だと思います。もっとも、「仰げば尊し」の歌詞は高校などでまともに古文を勉強していないと鑑賞は困難なので、誤解されたのかもしれません。

仮に立身出世の意味だとしても、それがなぜ問題なのかは理解できません。せっかく学校で一所懸命勉強したのだから、それで身を立て(生計を立て)、名を揚げる(名声をなす)をことをめざすのは当たり前のことであり、そうでなければ世の中の役に立つ人物にはなれません。共産主義的でないのは確かですが...。

仰げば尊し」の歌詞は、1番が先生への感謝の言葉であり、2番は級友への感謝とはなむけの言葉であり、3番は学校への感謝の言葉だと思います。2番を省くのは、級友への感謝とはなむけを省くことでもあり、自分さえよければいいという現代の世相を反映している気がするのは私だけでしょうか?